行政不服審査法施行令案の内容を確認

 

平成27年10月13日に 総務省は、来年4月施行予定の行政不服審査法の政令案「行政不服審査法施行令案」及び「行政不服審査法及び行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の施行に伴う関係政令の整備に関する政令案」についての発表し意見募集を始めました。総務省曰く、「平成27年10月14日(水)から同年11月12(木)までの間、国民の皆様からの御意見を広く募集いたします。 」です。おそらく意見募集しても、あんまり内容変わらないと思うので、この機会に行政不服審査法施行令案の内容を確認してメモします。

行政不服審査法施行令案全体像

第一章 審査請求(第一条―第十七条)
第二章 再調査の請求(第十八条)
第三章 再審査請求(第十九条)
第四章 行政不服審査会(第二十条―第二十五条)
第五章 補則(第二十六条・第二十七条)
附則
この政令は、法の施行の日(平成二十八年四月一日)から施行する。

行政不服審査法施行令案の内容を確認

第1章 審査請求

  • 審査庁は、審理員が2名以上の場合、事務を統括する者一人を指定する。審理員は1名ではない場合がある。(1条より)
  • 審査請求書は、審査庁が処分庁等のときは、1通でよい。審査庁が、処分庁等以外のとき、正副2通提出。(4条1項より)
  • 審査庁が、処分庁等以外のときは、情報通信技術利用法3条1項の規定により、オンラインで審査請求してもよい。正副2通の審査請求書が提出されたとみなしてくれる。(4条4項より)
  • 弁明書、反論書、意見書は、正本とそれぞれ審理員が送付しないといけない人数分の副本を提出しなければならない。(6条1項、7条1項より)
  • 情報通信技術利用法3条1項の規定により、オンラインで弁明したり、反論したり、意見を述べたりした場合、弁明書、反論書、意見書を提出したことになり、しかも、人数分提出したことになる。(6条2項、7条2項より)
  • 口頭意見陳述は、遠いところに審理関係人が居るなどの場合、総務省令で定める方法で、審理員と審理関係人がテレビ電話システムを利用して実施することができる。(8条より)
  • 審理手続の申立てに関する意見聴取は、法37条2項より電話でできるが、通話者と通話先の場所を確認しなければならない。確認する方法は、施行令案には、書いていない。(9条より)
  • 聴聞調書や聴聞の報告書等の提出書類の写しの交付を求める場合、書面を提出しなければならない。(10条、11条より)
  • 聴聞調書や聴聞の報告書等の提出書類の写しの交付を求める場合の手数料は、片面用紙1枚につき10円。カラーだと倍の20円。原則、収入印紙で納付。送付に要した費用は、別途総務省令で定める方法で納付する。(12条、14条より)
  • 審査庁は、審査請求に係る処分をする時に、公認会計士法に規定する資格審査会・地方社会保険医療協議会・司法書士法に規定する登録審査会などのナントカ会等の議を経て当該処分をした場合、行政不服審査会等に諮問しなくてよい。(17条より)

第二章 再調査の請求

  • 再調査の請求人の代表者、総代、代理人等の資格は書面でする。再調査の請求書に、代表者、代理人等の資格を証する書面をそれぞれ添付する。(18条より)
  • 再調査の請求書には、再調査の請求人が、押印しなければならない。再調査の請求人が、法人その他の社団、財団である場合には代表者若しくは管理人、再調査の請求人が総代を互選した場合には総代、再調査の請求人が代理人によって再調査の請求をする場合には代理人が押印しなければならない。(18条より)
  • 処分庁は、口頭意見陳述を行う場合、遠いところに再調査の請求人又は参加人が居るなどの場合、総務省令で定める方法で、処分庁並びに再調査の請求人及び参加人がテレビ電話システムを利用して実施することができる。(18条より)

 

第三章 再審査請求

  • 省略

第四章 行政不服審査会

  • 委員3人の合議体は、3人とも出席してないと、会議を開き、議決することができない。委員全員で構成する合議体は、過半数の委員の出席がなければ、議を開き、議決することができない。(20条1項)
  • 審査会は、口頭意見陳述の調査審議を行う場合、遠隔の地に居住する審査関係人が居る場合など、総務省令で定める方法で、委員と審査関係人がテレビ電話システムを利用して調査審議を実施することができる。(22条)
  • 行政不服審査会の事務局に課を置く。(24条)

第五章 補則

  • 行政庁が、審査請求、再調査の請求、他の法令に基づく不服申立て(以下、不服申立て)をすることができる処分をする際には、処分の相手方に、当該処分につき不服申立てをすることが出来る旨、不服申立てをすべき行政庁、不服申立てができる期間を書面で教示しなければならないのに教示をしなかった場合、処分に不服がある者は、不服申立てを当該処分庁にすることができる。教示がなかった場合の不服申立ては、不服申立書を提出してしなければならない。(26条1項より)
  • 不服申立書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
    1)不服申立人の氏名又は名称と住所又は居所
    2)不服申立てに係る処分の内容
    3)不服申立てに係る処分があったことを知った日
    4)不服申立ての趣旨及び理由
    5)処分庁の教示が無いこと及びその内容
    6)不服申立ての年月日
    (26条1項より)
  • 不服申立人が、法人その他の社団、財団である場合、総代を互選した場合、代理人によって不服申立てをする場合には、不服申立書には、その代表者若しくは管理人、総代又は代理人の氏名及び住所又は居所を記載しなければならない。(26条1項より)
  • 不服申立書には、不服申立人が、押印しなければならない。不服申立人が、法人その他の社団、財団である場合には代表者若しくは管理人、不服申立人が総代を互選した場合には総代、不服申立人が代理人によって不服申立てをする場合には代理人が押印しなければならない。(26条2項より)